written by 雨月 凍夜様


First

 ―――初めて盗みをしたのは8歳の時
 ―――初めて捕まったのは9歳の時
 ―――初めて辱めを受けたのは12歳の時
 ―――初めて本当に死にそうになったのは14歳の時
 ―――初めて後悔したのは17歳の時

 でもやめるわけにはいかなかった・・・

 初めて他人を助けたのは18歳の時
 始めて他人に助けられたのも18歳の時

 初めて『 恋 』というものを知ったのは、そのすぐ後―――

 その男を見た瞬間 胸が苦しくなった
 ――ドクン――と体中が脈うったような気がした・・・

『 ケガは? 』

『 えぇ、平気。 』

 平気なんて嘘だった。
 だってこんなにも胸が苦しいもの・・・

 でも私は裏切った。
 ―――初めて裏切ったことで涙を流した
 
 その後初めて裏切られて
 初めて助けられて
 初めて『 仲間 』というものを知った

 
 ****


「 ケガはねぇか?」
「 あるわよ。たくさん。」
「 あぁ・・そうだな・・・。」

 町では解放を喜ぶ宴会がいまだ続いている。
 そんな中ナミとゾロは2人でナミの家へと来ていた。

「 ・・・で、なんなんだ話ってのは。」
「 うん・・。あのね、ゾロ・・・」
「 ? 」
「 ・・私・・ずっと、ゾロのことが好きだったの・・・。」

 心なしか最後のほうは早口になってしまったナミ。
 下を向いてその言葉を紡いだナミは、ゾロの顔を見ることが出来ない。
 ・・・・・しばらく待ってみるがゾロは一向に言葉を発しない。
 そろそろと顔を上げてナミはゾロの顔を見た。
 
 ―――そこには口を手で隠し顔を真っ赤にさせたまま
    固まってしまったゾロの姿。

「 ゾ、ゾロ?」

 おそるおそる読んだその声に反応し、ゾロがピクッと動く。

「 ・・・どうしたの?」
「 あ、いや・・。驚いた・・。」
「 そうよね・・・。ごめん・・。
  いきなりこんなこと言い出して・・・やっぱり驚くよね。」
「 いや、それもあるんだが・・ 」
「 ゾロ・・?」

 そう言ったナミの体は
 次の瞬間、ゾロによって抱きしめられていた。 
 ゾロの肩越しに見える夜空と燦然と輝く星々。
 腕の中で必死に状況を把握しようとするナミ。

 ―――自分はゾロに告白した

 そして次の瞬間には

 ―――自分はゾロに抱きしめられていた

 それはつまり・・・・

 そんな事がナミの頭の中をグルグルと回る。


「 まじで・・・嬉しぃ・・・。」


 耳元でつぶやかれた言葉。
 聞き逃してしまいそうなほど、小さな声で呟かれた言葉。

 それはたしかに―――

 顔を上げようとしたナミを、ゾロはその腕の力によって
 抑えてしまう。
 ナミはその力に従いまた大人しくゾロの胸へと頬を寄せた。

 顔を見なくとも――ゾロの胸へと寄せた耳には高鳴っている鼓動が聞こえてくる・・・・

 ナミはその音を心地よく思いながら目を伏せた。
 そんなナミをゾロは強く抱きしめる。


 ―――初めて他人に助けられたのは18歳の時

 ―――初めて恋を知ったのは18歳の時

 ―――初めて裏切られたのは18歳の時

 ―――初めて生まれてきてよかったと思ったのは、そのすぐ後


 今宵はこの腕の中で幸福を。                 




E N D 


うぉぉラブラブっすね。私には絶対に書けない類の
ラブラブッぷりを見せつけてくだすったのは雨月 凍夜様です。
六代さんがナンパしてきて下さったのです(笑)
わたし実はこういう顔がほにゃぁとなる系は実は大好き。
だって自分にないモノを求めるっていうじゃない!!そう言うことよ・・・・。
やっぱりあの時あの二人は恋に堕ちていたんですね!!
握手を求めてみたり・・・・
いやぁ、いい祭開催しちまったよ。
素敵な物を拝ませていただきました。
ありがとうございます

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