共犯者





「・・・・・は、あぁん・・・・も、だめ・・・」

「まだだ、まだイクんじゃねえぞ」

俺は激しく突き上げていた腰の動きをいったん止める。
あまりの締め付けに俺自身でさえ、思わず駆け上る寸前だったのだ。

きつくしがみついていた手は徐々にゆるめられたが、熱くたぎったナミの秘唇は、なおも俺自身を放すまいと絡み付いている。

「ど、うして・・・・」

「久しぶりなんだからよ。もっと楽しませろ」

「・・・あんたって、勝手なことばっかり」

「いくぞ」

ナミの呼吸が落ち着いてきたのを見計らって、ゆるゆると腰を動かし始める。
すぐに聞き慣れた水音が部屋中に響き、それにナミのあえぎ声が重なる。

「ああっ・・・ん・・・んっ・・・」

一度点いた火はすぐに燃え上がり、前よりもなお一層激しく俺たちの身体を焦がした。

「・・・あんっ・・・あっ、ゾ、ロ・・・・・・・」

「すげぇ・・・・熱いぜ、おまえの中・・・」

「・・ああっ・・・・あんっ・・イっちゃう・・」

俺の忍耐ももう限界だった。
一度ギリギリまで引き抜いてから、一気に奥までねじりこむ。

「・・・ああぁぁぁっっっ・・・・・」

あっけなく昇りつめたナミの襞が、俺を食いちぎろうと収縮する。
そこからもぎとるように自身を引き抜くと、ナミの腹に白濁した液体を吐き出した。



「そろそろ行かねぇと、ルフィのやつが何すっかわからねえぞ」

「またルフィの話?」

ナミは呆れたというように首をすくめてみせる。

「またってどういうことだよ」

「ここに来る時だって、あんまりルフィを待たせられないな、とか言ってたじゃない」

「そりゃ、あいつ一人で船番させてんのが心配だからだよ」

「へえ、どう心配なわけ?」

ナミが心底意地の悪そうな笑顔で聞いてくる。

「どっか行きたそうにうずうずしてたじゃねえか。船なんかおっぽりだしちまいそうなんだよ、あいつは」

「まあ、ね。ルフィももうちょっと自覚があればいいんだけど・・・。でもきっとウソップたちがもう戻ってる頃よ」

「だいたい、おめえだってルフィのことずいぶんと気にしてたじゃねぇか」

「ちょっと、ゾロ。自分が言われたからって、言いがかりはやめてよね」

「はッ、どうだかな。買い物しながらコレはルフィの好物だとか、ルフィに土産を買っていくだとかさんざんぬかしやがって」

「うっ・・・・」

「図星だろ」

俺たちは、しばらくそのままにらみ合っていたが、とうとう堪えきれずに吹き出してしまった。

「ま、お互い様ってことよね」

「・・・・まあな」

「でも私達だけじゃないわ。クルー全員がルフィにくびったけよ、きっとね」

俺は声を出さずに笑った。


「でも不思議よね。ルフィのこと好きなのに、こうやってあんたと抱き合ってる」

「好きなのと、ヤりたいのは別ってことだろ」

「あら、別だとは限らないわ」

ナミが俺の唇に噛み付くようにキスをする。
俺はその言葉の意味を考えながらも、熱いキスに酔いしれた。
唇を強引に割って侵入してくるナミの小さな舌。
すぐにからめとって、きつく吸い上げると唇の端からため息がもれる。

また頭をもたげ始めた俺自身を感じ、ナミの下腹部に手を伸ばそうとしたら
俺の腕の中からナミがするりと抜け出した。

「なんだよ」

「ルフィが待ってるんでしょ?」

「さっきの仕返しか」

「ほら、さっさとシャワー浴びなさいよ」

ナミは足元にくしゃくしゃに丸まったシーツを引っ張り出し、裸身に巻きつけた。
そして先ほどまでの気だるげな空気をさっさと脱ぎ捨てると、素早く落ちている服を拾い集める。
俺はそんな姿をベットに腹ばいになったまま見つめていた。

「おい」

「なあに?早く支度しなさいよ」

「俺たちのこと、ルフィには絶対に悟られるな」

「・・・・わかってるわよ」

「あいつ、お前に気があるらしい」

「知ってる・・・」

意外な答えだったが、なぜか驚きはしなかった。
なんとなくそう感じていたのかもしれない。

「告白でもされたか?」

「ううん・・・私ね、わかるんだ、あいつの考えてることは」

「・・・そうか」

「ルフィのこと好きだけど、あいつと寝ないのはそういうわけ」

「そういうわけって・・・なんだ、そりゃあ?」

「抱き合わなくても、あいつのことはよくわかるってこと」

「・・・・・・」

「相手の事をもっと知りたいから、一緒に寝るのよ」

ナミは俺から視線をはずさないまま、そう言った。

「あいつのことは、わざわざわかる必要がないってことか」

「そういうこと」


話は終わったという風に、軽く肩をあげるとバスルームへ向かおうとする。
俺はナミの言ったことを理解できたのかどうか、よく分からなかった。
その後姿に声をかける。

「じゃあ、あいつが俺たちのこと知ったらどうするか、お前にはわかるのか?」

「・・・別に今までと変わらないんじゃない?・・・表面的にはだけど」

「だがよ、俺はそんなあいつは見たくねえんだ」

「私だって、ルフィのこと好きよ。だからできれば今のままのこの関係を壊したくないの」

「明け方、お前の部屋から戻った時にルフィのやつが目を覚まして、いつもどこに行ってるのか聞いてきた」

ナミはなるほどと頷きながら、戻ってきて俺の横に腰をおろした。
ベットのスプリングが少しだけきしんだ。

「だから、珍しくこんなところに誘ったのね。朝まで一緒にいることも少なくなったし、どうしてかなって思ってた」

そしてナミが俺の方に顔を近づけると、何かを企んでいるときのような顔をした。

「私ね、ルフィのことは傷つけたくないと思うけど、あいつが私たちの事を知ったらどうなるのか見てみたい気もする」

「お前、まさか・・・・」

「馬鹿ねえ、私がルフィに言うとでも思った?」

「・・・・何考えてる?」

ナミは一度俺から視線をはずすと、そろそろ夕暮れの迫ってきた窓の外に目を向けた。

「ルフィは強いわ。・・・肉体は傷つくことがあっても、きっとあいつの魂には何があっても傷ひとつつかないと思う。
怒ったり、悲しんだり、憎んだり、どんな感情もあいつの根本をゆるがすことはできない。
そんなもの全部ひと飲みにして、自分の夢に向かって突き進んでいく。そんな人間はそうざらにはいないわ。
私たちは、そんなあいつの強さに惹かれているのよ」


俺が聞いていることなど、もはや眼中にはないようだった。
まるで熱に侵されたようにナミはしゃべり続ける。

「でももしも私たちのことを知って、それであいつが傷ついたとしたら・・・」

ナミはそこまで言うと、俺をじっと見つめた。

「それだけあいつにとっての私の存在が大きいということでしょ?」

「ルフィはお前のこと大切に思ってるだろ。そうじゃなきゃ・・」

「それはわかってるわ。だけど私が思うほど、あいつは・・・ルフィは私のことを思ってくれてるのかなって。
なんか片思いみたいで、くやしいの」

恋人同士ってわけじゃないのにね、と小声で付け加えた。
俺はその時のナミの表情を見て、今はここにいない奴に激しい嫉妬の感情を抱いた。

「お前は心底、恐ろしい女だな。自己満足のために人を傷つけようなんざ、魔女だって考えつかねえぜ。・・・しかし」

「何よ」

頭に浮かんだあいつの笑顔が、やけに胸に痛い。

「俺たちが、こんなにもあいつに取り込まれちまってるなんて、本人は気づいちゃいねぇんだろうな。
そいつは、ちったぁしゃくにさわるかな」

「ふーん、あんたもそんなこと考えるんだ。なんか意外」

見上げてきたナミの顎を支えて、ねっとりとからみつくようなキスをする。
一瞬、身を引きかけたがナミもすぐにそれに応えてきた。
身体を離した時には、瞳が欲望に熱く潤んでいた。

「俺たちは、まだお互いのことがよくわかってねえみたいだな」

「そうね。・・・じゃあ、もう一度?」



俺たちはそのまま腕をからめ、熱い息をかわしベッドへ沈み込んでいった。

今はここにいない、あいつの面影に心を囚われたまま・・・




end

「おいおい、どうするよ。」
これ本当に貰っても好いんですよね???もう返しませんよ??好いですね???
ひゃっほう!!私の求めるルナゾがまさにこれです。
衝け入る隙のないルナゾ理論だー(爆裂中)

カラダなんてなくっても分かり合えちゃうルフィとナミ
カラダを重ねても完全には分かり合えないゾロとナミ
どうする??どうする??
動悸が収まりません。まともな感想かけません。

御見事。絶大なる感謝と讃辞を。
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