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envy  
ねぇ、ちょっと黙ってくれる?
口唇を動かすのをやめて
目を瞑ってくれるだけで好いのよ。
悪いようにはしないから

ねぇ、ちょっと黙ってくれる?


起き抜けの煙草は目覚まし。
吸収されるニコチンで、エンジンが回転数をあげていくのが判る。
コックの朝は早い。
明け切らない内に起き出す。
空が黄色く染まって、今日もいい天気。
昨日イイ事があったんでまぁなかなかに好い日になりそう。
ジャケットを引っかける。まだ微かに残る匂い。
くわえ煙草のままキッチンへと入り、今日の朝食のメニューを考えた。



「早いわね、サンジ君。」
小さく欠伸をしながら、ナミがキッチンに入ってきた。
おはようございます、と、同時にコーヒーを差し出す。
いつもと変わらない朝。

「メシだ、起きろー!!」

部屋まで行って優しく起こすなんて事はしない
戸口で叫んでこなかったら終わり。
そうすりゃ誰にも邪魔されないで、彼女の世話を焼けるというもの。
ところがそうじゃない。呼んでこなかったためしがない。
ぞろぞろと寝起きの顔をぶら下げてくる。

彼女の隣に何でそう当然のように座ってるんだよ、てめぇは。



「なんか、いい匂いがするな、ゾロ。」

コーヒーを差し出すときに言ってやった。

「え」

と、重なり合った声。
ねぇ、あんたら二人でなに驚いてンの。

一晩一緒にベットに潜りゃ、イヤでも移るさ。



ねぇ、あんた達、気づいてンの?
それとも。

                                             

end


ええ、終わり、ホントに終わり。
私の唯一好きな匂い「ENVY」
GUCCIです。大人の匂いですよねぇ。
と言うわけで、大きくなったら、いい男に移り香つけられるようになりたいな。
って、もう、大きくなったんですが・・・・。
そんなことは一度たりとも。

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