baby moon4.55

沈黙
沈黙は了承の証
黙っていろ
お前なんかと道連れはゴメンだ
せっかくの寄港日だってぇのに・・・・
何の因果でこんなむさ苦しい男と二人でお茶なんか飲んでンだろうな。
大体今日は勝負運が悪ィ。
居眠り剣士が俺も久々に上陸するとか言いやがったから話はややこしくなったんだ。
結局俺はじゃんけんに負けて食糧補給が済んだら船番。
せっかく可愛いレディの一人でも引っかけようと思ったのに。
しかも俺と交代のこいつと来たら俺が帰ってくる一瞬前まで寝ていやがった。
しかも!美女二人のお供がトナカイって言うのはどういうこった!?
俺なら服の一つでも見立ててプレゼントするのに。

冷蔵庫に痛みそうなものを仕舞いながら溜め息に溺れていると「昼飯」と一言ご注文だ。
俺はお前の彼女でもお母さんでもネェゾと睨み付けたが、「気持ち悪ィ事言うな」と一蹴。
この船専属だろと食前酒にはきつすぎるのを煽っていやがる。


なんで可愛い女の子のためではなくこんな野郎のために自慢の腕を振るっているのか、なんだか悲しくなった。
飯喰ったらさっさとどこなりとでも行けと思ったが食後のお茶まで所望するとはイイ度胸だ。
テーブルの上に音を立ててお茶をサーブした。
どうぞ、勝手にお飲み下さいとついでにポットも置いた。
ちょっと手を上げて礼を言う。
まぁ、赦してやらんこともねぇがな。

そう言えば一つ気になることが。
さっき彼女たち二人を見送るときに見せていた意味深な笑み。
行ってらっしゃいと、手を振りながら彼女を見送っていた。
ありゃぁ、何?

煙草に火を点けながら、少し疑問だったので聞いてみた。

いつもはさほど興味も無いという顔で、行く前から昼寝体制を整えているが今日は違った。
こうなんて言うか意味深、と言うより・・・・・


「エロオヤジみたいな笑い方だったろ!」

どっか気管にでも入ったか、
咳き込みながら今朝は剃っていない無精髭をさすって考え込む。

「ありゃ何だ?」


「今日ロビンに聞いてみな。答えてくれはしねぇとおもうけど。」
「何を?」
「二人で何処行ってたのって。」
「どこいってんだよ?」

ランジェリーショップ
なんでそれをお前が知ってるんだよ、まさかお前ナミさんに・・・・・
妙な道具買いこませにいたんじゃネェだろうな。
お前の方がオヤジじゃネェか。

「あぁ、だからか」
「なに?」
「お供は俺はダメだったんだな。残念すぎる。」
「女の子同士でしか行けないお店だからって断られた。」
「何買ってくるつもりだよ。あいつら・・・・」


「で、なんで今日買いに行ってるんだよ?」
「イヤ昨日な」
「昨日なのか!?」
「昨日じゃない、違う!」





「馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、お前はほんっとうに馬鹿だな。」
「なんだよ。」
「レディの下着ってぇのはな、見せてナンボなんだよ。愛しい男のために選んだそれをそいつだけに見せる悦び。」
「だから?」
「嬉しいだろ、そんなお姿拝めてよ。」

「そうか・・・・」
「そうだ!!まさかお前中身しか興味がないとか言うんじゃあるメェな。」
「ぃやそれは・・・」


「褒めネェと!!可愛いなとか、綺麗だとか、たった一言でその夜の命運が変わることだってあるんだぜ??」
「そこまでのものかぁ??」
「そこまでのものだって!!」

「ところで、ロビンってどんなの着けてンだ?」
「ぃってぇなぁ、アァやんのか?」
「なんでテメェにそんなこと言わなきゃなんねぇんだよ!」
「いやぁ・・・参考に・・・・」

「ところでナミさんどんなの着けてんだよ」
「普通だよ普通。」
「普通?どんなの?」
「地味ーな。」


もうさっさとどこなりとでも行け、俺は機嫌がわりぃぞ。


「もう一つ!」




「ロビンって痛がったりする?」
「・・・それをテメェに答えろってか。」
「言いたくネェなら別に」

妙な沈黙

「つーか、積極的だからなぁ・・・・・。」
「そうなのか?」

「これ以上は企業秘密。おかずにすんなよ」
「バカ言え、そんなに飢えてねぇ。」
「想像もするな、減る」
「バァカ。」

「参考までに、ナミさんは?」
「ダメだ、トップシークレット。」
「ちょっとだけ。」
「時々痛がるんだよな。」

「お前、無茶してんじゃネェの?」
「いやそんな、いや、・・・・・・・・まて・・・。」

「多分・・・・・」
「どっちの多分だよ!?」



「お前・・・・けだものだな。」
「年中発情期のお前に言われたくネェよ」


ただいまー、おーい、誰か助けて。


「ご帰還だ。」

アレ、二人は?

雪車に溢れんばかりに積まれた荷物を上へ運び終え、
すっかりへたりきったチョッパーがキッチンに入ってきた。

「俺を帰してどっか行くんだって。」
「お疲れサン。」
その前に汗をかいた冷たいグラスを。

「二人で何話してたんだ?」

「イヤ別に。」
「大したこっちゃネェよ。」

黙っていろ。
お前なんかと道連れはごめんだ。

end


いやぁ楽しいです。ゾロとサンジは可愛いです。
二人で初めて大人の会話編(笑)
「もう何でも好いから初めて付けてるなお前・・・・」
って言う話は無しで・・・・・
ニコサン+ゾロナミ完全前提ですのでね!!
でもこれオフで凹んでいた割に楽しいカンジに仕上がってよかった。
と言う訳で、まだまだ続きます。

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